ICT戦医隊 フセグンジャー





ICT戦医隊 フセグンジャー  by 染方はじめ

これから記す出来事は、全てフィクションです。登場人物その他、全て架空のものです。尚、原作は小学生です。突飛なアイデアや表現も多々ございますがご容赦ください。

序章 破(ハ)にされる昔の都

 2005年、日本の某都市のはずれにある大きなビル。突然、その隣にある小屋が、ボゴォオオォオオォオオォオオォオンと大きなうなり声をあげて、跡形もなく消えた。
 ビルの最上階では、1人の社員がとても険しい顔でドタバタと社長室に走りこんできた。
「社長!!もうすぐここもやつにやられそうです。」
「な、何じゃと。社員を全員、他の国などに避難させろ。」
 その直後、壁が飛び散るように崩れ、ビル全体がポッキリと折れて、完全に横倒しとなった。壊れた壁の隙間から、二人の男が中を覗き込んでいる。一人は、ハイエンキューキン王、そして、もう一人は名前さえ知られていない謎の男である。
「う、うぁあ、い、い、いの、いのっち、いのっ、命だけはお助け。」
 社長が命乞いするもむなしく、
「問答無用。やれ~」とハイエンキューキン王が命令を下した。
 すると、王の周りにいる、無数の小さなハイエンキューキンたちは、さらに小さくなり、見えなくなった。かと思いきや、突如うなり声をあげもがき苦しむ社長たち。
「この世界は我らのものだ。ハハハッ。ハハハハハハハハ。」
 勝利の雄叫びをあげたかと思うと、先ほどまでもがき苦しんでいた社長たちはチリとなって消えていた。


第一章 20XX年 とある研究所の実験室

「おいっ、出せ」
 中にはハイエンキューキン王軍の残党たちが入っていて、ドンドンと窓を叩いていた。
「だから出せっつってんだろ。」
 どんどん口調が悪くなっている。すると、ある研究員が、 「今、楽にしてやるからな」といってボタンを押した。
 残党らのいる部屋の中に、謎の液が・・・。しばくして残党たちは灰となり、散って消えた。


 下っ端研究員の赤井防(アカイフセグ)は何やらブツブツと文句を言いながら資料を運んでいた。
「ったく、部長のやつめ。こんな重たいものを持たせやがって。んなもん自分で持てっつーの」
 突如、部長が横から出てきた。
「おー、赤井くん」
「うわぁぁぁあぁぁぁ!許してください!!」
 赤井は悲鳴をあげて謝った。だが、文句は部長に聞こえておらず、なんのことだか全く分からない部長。チーン・・・。
「それより赤井くん、これから適性試験を受けてもらうから、私についてきてくれたまえ。」
「えっ、あっ、は、はいぃ??」
 今度は、なんのことだか全く分からない赤井。ドゥーン・・・。
 戸惑いながらも、仕方がなく部長についていった。何十段も階段を登り、赤井はクタクタになっていたが、部長は全く動じていなかった。22階に着くと、部長が
「着いたぞ。ほらこれを持て。」
 部長から剣と銃を渡された。赤井は当然驚いた。そして赤井は大きな部屋に入れられた。赤井の他にも、多くの研究員がいた。


「それでは試験を開始します。では始め。」
 励声一番、試験開始とともにハイエンキューキン王軍の残党たちが大声をあげながら研究員に襲いかかってきた。
 「全員、たたきつぶせぇぇ。」。
 そう叫んだかと思うと、ズバッと切れた感じの音とともに、残党たちがどんどん崩れていった。
 赤井にも残党たちが襲いかかってきた。
(うわぁ助けて)
と思ったら、たまたま剣が当たり残党たちを切った。
(えっ、まさか)
と思い、おそるおそる銃も手にして、何発か試し打ちしてみた。
 読み通り、残党たちはドロドロと溶けてしまった。


「そこまで」
 ようやく試験が終了したと思ったら、上から雨のような液が降ってきた。最初40人はいたはずの研究員は、5人に減っていた。
「合格者を発表します。」
「青木成政(アオキナリマサ)、黄鬼色一六(キキイロイロ)、花井桃子(ハナイモモコ)、南北緑(ナンボクミドリ)、そして赤井防。ーーー以上」
 発表が終わると、盛大な拍手が送られた。


第二章 勉学の勉学

 適性試験が終わってから数日後、今度はエレベーターで32階に行くことになった。赤井が「あの試験は一体何だったのだろう」と考えていると、もう32階についていた。そこにはこの前の試験に合格した5人がいた。
「赤井じゃねーか久しぶりだな。」
喋りかけてきたのは赤井の同期の黄鬼色一六だった。


「これから細菌研究プロジェクトの第一回を始めていきます。では早速悪玉菌類について調べていきましょう」
と、教授のような人が現れて、何とかプロジェクトとやらが始まった。その内容とは、菌の種類や分類の仕方、それらの菌に効く薬等に関する話である。
 そんな日が毎日続き、気づけば9ヶ月以上も経っていた。授業は1日10時間も続き、職場で寝泊まりすることも珍しくなかった。ほとんどの自身の時間の費やしていたある日、部長から呼び出しがあった。急いで16階に向かうと
「赤井くん、君にICT戦医隊フセグンジャーのリーダー、レッドを任せようと思う。」
(どういうこと?アイシなんちゃらフセグンジャーって、何なんだ・・・)と戸惑いを隠せない赤井。
「まぁ、何のことか全くわからないのも無理は無い。ICT戦医隊フセグンジャーは悪い悪菌どもから人類を守る、精鋭部隊だ。そのリーダーを君に任せようと思うのだ。」
 部長の説明を聞いて赤井はようやく納得した。
「君の変身スリーブだ」
と、部長から妙な顔のような模様にレバーがついたものを渡された。そして薬のカプセルが絵が描いてある赤のカードも置いていった。
「君も含めて5人全員にそれを配っておいた。さぁ来月から任務だ。」


 赤井は、仕事の時はもちろん、電車・風呂・トイレ・寝る前、18時間以上も細菌に考える羽目となった。そんなある日のこと。
「緊急事態発生、緊急事態発生。前回の適性試験に合格した5人は、・・・ピー、ピー、・・に急行せよ。・・・ザー、ザー、ザザザ・・・、にき・・・えよ。」
赤井は、まさかとは思ったが、思い当たるその場所に向かった。

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